まず、極軸合わせをしないといけませんが、薄明が終わる頃になっても、南の低空の雲で天の南極はなかなか見えません。ただ、その上斜め35度くらいにりゅうこつ座β星が見えています。とてもよく目立つ星です。④「極軸合わせ対策」編で書いたように、極軸望遠鏡とファインダーの照準を、この星に合わせます。

だんだん雲が下がってきて、双眼鏡ではちぶんぎ座σ星(σOct)が確認できました。ファインダーを見ながら極軸の角度を下げていき、2つ並んだ星を途中視野に捉えながら、さらに下にたどっていくと、すんなりσOctを含む台形の星の並びが入ってきました。

極軸望遠鏡に目を移すと、横に直線的に並んだ2つの星(上の図の矢印)を伴った恒星が視野の真ん中に入っています。σOctです。あとはちょっと見ずらいですが、パターンのσOctの位置に星を合わせて、極軸合わせ終了。
ファインダー併用法で対策しておいてよかったと思いました。極軸望遠鏡で眺めた印象では、やはり極軸望遠鏡だけだと星の並びまでは掴みずらく、周囲には似たような明るさの星が多く、σOctを見つけるのに相当時間がかかっていたと思います。
極軸設定はスムーズにできたものの、その後、思いもしないトラブルが。カメラの電源を入れたところ、カメラのモニターに見たことのない画面が。いつの間に設定が変わったのか、軽いパニックに。
気づけば何でもないことなのですが、カメラのファインダー横にある静止画と動画撮影を切り替えるスイッチが変わってました。ただ、一度も使ったことがないスイッチだったため、暗がりの中、それに気づくのに30分以上かかってしまいました。
軽量化のためとはいえ、あまりにもペラペラなリュックサックでカメラを運んだのがまずかったようです。しかも、カメラを包んでなかったため、リュックのなかで転がっているうちに、スイッチが切り替わったのでしょう。
スタートが大幅に遅れましたが、気を取り直して撮影開始。空はすっかり快晴になっています。
南半球の天の川 - Spherical Image - RICOH THETA
ところが撮影を開始して1時間を過ぎたころ、またしても雲が。
Canon6D ISO6400, ,RAW, 20sec.
Sigma 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE (F2.8)
LRTimelapse5, Photoshop CC
5/3 21:09~23:35(現地時間)
結局この夜は再び雲が切れることはありませんでした。正直、最初のカメラトラブルで時間ロスしたことが悔やまれます。しかし、クリアな空の下で1時間分の露光はなんとか取れました。その時の画像がこちら。

Canon EOS 6D(HKIR) ISO1600, RAW, 4分×15コマ
ε130D
今回の目的の1つ、イータカリーナ星雲をゲットできました。
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