今日はSTLの結露対策について
 
SBIGの製品はどれもそうらしいですが、CCDチャンバーに結露しやすいという話をよく聞きます。
 
カバーガラスにヒーターなどついてないので、特に高温多湿な日本のような気候条件で使う場合、結露対策は必須のように思います(アメリカなんかの乾燥地帯で使うことを前提で作られているのでそのような点は考慮されてないのかもしれませんが)。
 
CCDチャンバーの周りに裸の電子回路が配置されてて、水滴でも付いたらあっという間に故障しそうですね。
 
結露対策としては乾燥空気をカメラ内に送り込む方法をよく見ますが、買ったばかりのカメラにいきなり穴を開けるのはちょっと気がひけます。
 
そこでカメラ自体を出来るだけいじらず、結露を防ぐ方法はないか、考えてみました。
 
 
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ツチノコのドローチューブの接眼部Cをつけたところです。この接眼部Cの先端には58mm径のフィルターねじが切ってあります。
 
この部分の先端部にはいつも青ハロ防止用のL41フィルターを付けています。
 
これでカメラ内部がかなり外気と遮断された形になっています(多少隙間はありますが)。
 
この中に乾燥剤を仕込んだら、結露防止ができるかも、ということで試してみることにしました。
 
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AZ-10Gというゼオライト乾燥剤です。
 
40×60mmの板状で、切断すると断面から少し粉が出ますが、ハンドリングはなかなか良さそうです。カタログ的には、湿度が0%になる、とか、吸着した水分の再放出はない、とありますが、本当でしょうか?
 
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密閉できるガラス容器(700ml)でテストしてみました。乾燥剤を入れる前は湿度75%(28.6℃)でした。AZ-10Gを入れるとみるみるうちに湿度が下がり、10分後には14%になりました。その後は何時間たっても14%のままでした。
 
これは夏場の一番暑いころテストしたので温度が高いですが、もっと低い温度ではどうなるでしょう。そのまま冷凍庫に入れて一旦冷やし、少しずつ温度を戻して温度と湿度の関係をみました。
 
結果は0-16℃で湿度18%、16℃から16%、でした。元の28℃に戻すと14%になりました。
 
カタログ通りの0%にはなりませんでしたが、サハラ砂漠の平均湿度が20-30%ということをかんがえると、広い温度域で簡単に十分な低湿度を実現できると言えそうです。水分の再放出に関しては、もしそうなら一旦低温にして元の温度に戻せばより低湿度が実現できることになりますが、これについてはカタログの言葉どうりではないようです。
 
さて、実際のカメラではどうでしょうか?
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STL内部にAZ-10Gを仕込んだところです。意外とスペースがなくて、かろうじて右上のCCDチャンバーの乾燥剤入れ近くに場所を見つけました。左下や右下にもスペースがあるように見えますが、こちらはモーターや基板が入ります。
 
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そのままでは入らないので、タテに2つ折りにします。断面から粉が出るので、ばんそうこうでふさぎました。
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基板を固定しているネジに壁掛け用のフックを付けて乾燥剤を固定します。
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元はこんな物です。穴の大きさがちょうどいい。
 
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カメラアダプターの隙間は非硬化型のパテ(エアコンの穴の隙間を埋めるやつですね)でふさぎます。
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これでカメラ内の湿度がどれくらいになるか、見てみました。だいたい20%前後になるようです。ガラス容器の場合より高いのは、気密が完全ではないためでしょう。この状態で2-3日はこのくらいの湿度を維持できるようです。電源を入れて背面のファンを回しても問題ありませんでした。
 
さて、これで結露のほうは大丈夫でしょうか?
 
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外気温25℃で‐15度(外気温に対して‐40度)まで冷却して3時間おいた状態がこれです。全く結露は見られませんでした。
 
全く外科手術なしの対策ですが、結構効果があることがわかりました。実際の撮影はもっと気温が低くて湿度が高い環境ですが、どうでしょう。出撃が楽しみになってきました。